テーマ home away home

テーマについてですが、 テキスタイルの七佳さん、ダンサーのちあきさん、私を含め3人とも日本で育ったのちに海外で暮らしています。話し合いの中で出たのが、母国にいることと異国にいることで感じる二面性でした。 具体的には、久々に日本へ帰ると昔の居場所に感じる違和感や友人が知る昔の自分と現在の自分とのギャップです。このような2箇所あるいはそれ以上の空間を居場所にした経験による空間としての二面性。そして、過去の自分を知る者と現在の自分との差異、これは精神的な二面性と言えるかと思います。 このような経験や感情は、いろいろな状況でみなさんも感じたことがあるのではないでしょうか? 例えば、引越しによる物理的な空間変化やそこで生活していくうちに生じる精神的な内面変化、また就職など新たな道に進むことによって感じる物など、生活していく上で生じる感情の変化を今回はテーマに選んでみました。タイトルはスウェーデン語で、[hemma borta hem]、英語だと[home away home] です。 具体的な様で抽象的なテーマかなとも思いますが、これからどう形になっていくのか私たちも楽しみです。 公演は5月25日です。 ぜひたくさんの方に見て頂きたいと思います。

Home Away Home

はじめに

Göteborg Art Performance. Swedenの西に位置するGöteborgは街としては決して大きくはありませんが、3つの面白い文化Music、Dance、Designが大きく発展、発達していると言えます。 街にあるGöteborg大学には音楽部そしてデザイン、テキスタイル等のアートに関する学部があり、他にGöteborgオペラにはダンスカンパニーが存在します。この3つの教育機関及びカンパニーが小さな街にあるのは、この街の大きな特徴であると思います。ただこの3つの文化間での協力体制は、まだ未成熟であるため文化間で協力してのパフォーマンスはさほど多く行われていないのが現状です。 この三者間の文化的連携を築くきっかけ作りになればと思い、Göteborg Art Performanceを立ち上げました。 今後いろいろなプロジェクトを行う予定ですが、毎回そのプロジェクトに至る経緯や、各分野の歴史、物作りの際のアプローチ等に関しても、このブログを通して、感性や知識を共有することもまた一つの目的にしています。 私個人は即興演奏家として活動していますが、よく感じるのは、即興音楽の分野は小さな世界だなと。だからこそ、協力していろいろな発想などもシェアして、この世界をいろいろな方に知ってもらい、気軽に楽しんで頂きたいなと思います。 同じくデザイン、クラフトなどのアートに関わる分野、ダンスの世界も誰もが知る世界ではなく、展示会やステージを訪れたことがない方もたくさんおられるのではないかと思います。 3つの分野が協力してパフォーマンスを行うことで、訪れた方が新たなアートに触れるきっかけになれば良いなとも思います。 このブログ、そしてプロジェクトを通して、表現に携わる人々が意識や考えを共有し、刺激しあえるコミュニティが築ければ良いなと思います。 2011.10.16 市尾優作